処女の女子大生と出会う
久しぶりのモスバーガーだ。私はファーストフード店はあまり入らないんだけど、このモスバーガーだけはおいしいと思う。
会社と自宅を往復するだけの毎日の私にとって、行き帰りのの道にモスバーガーがないので自然に足も遠のいていたが、今日は出先なのだ。
会社の同僚のミスでその同僚に泣きつかれてお客様ところに一緒に謝りに行った。会社の方では遅くなったので付き添いだった私は会社には戻らず、直帰していいということになったのだった。
同僚は、今度必ず旨い店で一杯ご馳走するからと私に平謝りに謝って、とりあえず責任者として会社に戻って報告書を書くということだった。
ひとりで居酒屋に行くのもなんとなくめんどくさかったので、お腹が空いていた私はそこにあったモスバーガーに入ったというわけだ。
そして、それが私のつまらない日常の生活を一変させてしまったのだ。
なんとなんと!なのだが、そこで「いらっしゃいませ」と言っててくれた中年のおばさんは、私が高校の頃付き合っていた女性だったのだ。私の方がぞっこん状態で、高校の部活でチアリーダーのキャプテンだった彼女には、他にも思いを寄せる学生がたくさんいた。
それでも私がその競争率を押しのけ、なんとか彼女と付き合うことができたのは、今ではこんなくたびれたサラリーマンに成り下がってるけど、私自身が野球部のエースピッチャーだったからだ。
私が試合でピッチャーとしてマウンドに立つ時に、彼女はいつも応援団席で応援してくれていた。
私の忘れられない青春のひとコマだ。私の方でぞっこん状態だったのだけれども、付き合い始めてしばらくすると、実は彼女のほうも私にぞっこんだったということがわかった。
ああ…本当に懐かしいな。
「こんにちは、久しぶり」
彼女はすぐに私に気がついた。そしてお互いもう40に手が届きそうな年齢なのに、すごく照れてしまった。
とりあえずメールアドレスの交換をして、毎日のようにやりとりをしている。なんと、お互い独り身だった。私は妻と離婚してるし、彼女は理由はまだ聞いていないけれど一度も結婚したことがないという。